近視治療

お子様の近視の進行(悪化)抑制を目指して

・当院では、近視の診断がついていないお子様には、まず点眼薬による詳しい検査を致します。(点眼後、検査には約30分程お時間がかかりますので時間に余裕をもって来院して下さい。また点眼後は平均4時間程眩しくて見えにくくなります。)

・検査の結果、仮性近視であった場合は点眼薬、視力回復訓練(ワック)にて治療致します。

仮性近視(調節緊張)とは?

以前は学校近視と言われた事があります。
仮性近視とは、近くを長く見続けた結果、レンズの厚さを変える毛様体筋が異常に緊張してレンズが厚くなり、一時的に近視化している状態を言います。ただし経験的に本当の仮性近視である方は少ないように思います。

治療としては、
(1)目の毛様体筋を休ませる点眼薬の使用
(2)目の毛様体筋を休ませる機械での訓練(ワック
(3)日常生活上の注意点などがあります。(近くで長い時間ものを見続けない等)

・検査の結果、近視であった場合、目の前後の長さ(眼軸長と言います)が長く伸びている状態です。
一度伸びた眼軸長を短くすることは出来ませんので、残念ながら現在の医学では近視を治すことは出来ません。また、近視は一度発症すると大半は徐々に進行してしまいます。近視が強くなると失明につながる色々な眼疾患(緑内障、網膜剥離等)に罹りやすくなりますので、如何に近視の進行を抑えるかが重要になります。
近視の原因は以前まで遺伝的な要因と考えられていました。両親いずれも近視でない子供に比べて、両親とも近視の子供は近視になる確率が8倍高く、片親のみが近視の子供のは2倍高くなります。しかし近年、特にアジアでは急激に近視人口が増加しており、遺伝的要因のみでは説明が付かず、環境も要因ではないかと考えられるようになりました。
近業(近くでものを見ることを言います。スマートフォン、携帯ゲーム機、読書、勉強等)、屋外活動の減少が近視の原因であるという研究報告が近年多数出ており、現在では環境要因も近視の原因と考えられております。
近視の進行抑制には、近業を減らす、屋外活動を増やすことも重要ですが、その他に低濃度アトロピンの点眼、オルソケラトロジー治療も効果があることが判明しております。

オルソケラトロジー

夜間寝ている間に装用する事で近視を矯正する特殊なハードコンタクトレンズによる近視治療で、日中はメガネやコンタクトレンズなどの装用の必要がなく裸眼で生活できるようになります。
近視の進行を予防する効果もあります。
睡眠中のみのコンタクトレンズ着用なので、親御さんが管理、対応できますので当院では小学生1年生からオルソケラトロジーを始めているお子様も多数いらっしゃいます。

オルソケラトロジー
夜間寝ている間に装用する事で近視を矯正する特殊なハードコンタクトレンズによる近視治療で、日中はメガネやコンタクトレンズなどの装用の必要がなく裸眼で生活できるようになり、近視の進行を予防する効果もあります。(以前は当院にても施行しておりましたが、現在では行っておりません。)
・近視の経過管理には正確な眼軸長測定が重要です。
当院では近視管理に特化したスイス眼科機器メーカーHAAG-STREIT社製レンズスターMyopia(Myopiaとは近視をいう意味です)を導入し、近視の経過管理を行っております。